ミッシャ・マイスキー

昨日、チェロ奏者のミッシャ・マイスキーのコンサートに行ってきた。私の住んでいる街に近年新しく建てられた、有名なコンサートホールでのコンサートだった。マイスキーのコンサートに行ったのは20年ぶりであろうか。生前の母と一緒に日本で行って以来だ。あの頃はマイスキーの子供達はまだ子供だったので、マイスキーのソロ演奏のみだった。バッハの無伴奏チェロ組曲など、楽曲も今回とは違うものだった。今回は娘さんと息子さんを同伴でのコンサートであり、趣の違うものだった。日本でのコンサートではトークショーはなかったが、今回はドイツ語でのトークショーもあった。もう70歳半ばのお年だが、チェロを引くときの体力と気力は凄いと思う。コンサートは20時に始まり、スタンディングオベーションの後の演奏も含めて23時に終了した。途中の休憩はあったものの、3時間もの間、たくさんの聴衆の注目を浴びながら、楽器を奏で続ける体力と精神力には脱帽する。

トークショーではお茶目な一面も垣間見えた。偉大な二人の師匠からは、技術ではなく人間的なものを学んだそうだ。そして、「自分は技術はほとんど学んでいない。大事なのは音楽への愛と畏敬の念だ」とおっしゃっていた。6人の子供さんがおられるそうである。久々に聞く生の音楽、貴重なひと時だった。娘さんはピアニスト、息子さんはバイオリニスト。自分の子供たちと一緒に音楽を奏でることはやはり特別なことだと、マイスキーは仰った。また来年あたり、コンサートに行きたいと思う。

コンサートのプログラに掲載されていたミッシャ・マイスキー氏の写真